はじめに



私が袖直しを始めたのはごく最近のことです。
ワイシャツを買い替えたことで、これまで気にすることのなかった袖の長さが気になったことがきっかけです。

メジャーを取り出して採寸を始めたところまではよかったものの、いざ裄丈を決めようとすると上手くいかないのです。
改めて意識すると適正な裄丈がわからない。同じサイズでもメーカーやモデルによって袖の長さが異なる。それでは…と調べてみても「親指の付け根+2cm、手くるぶし+2cm、手くるぶし下」などと各々薦めている長さが異なる。ならば!とプロの手に頼ってみたならば、丈感に加えて縫製という新たな問題が追加発生―あれやこれや手を打ってはみたものの手詰まりな状況に陥ってしまったわけです。

もはやこうなってしまっては素人にはまったく訳が分からない―調べれば調べるほど、適正な袖丈を求めれば求めるほどに混乱が増していくばかりでした。

最終手段としてダメ元で自分で丈直しをしてみたところ思いのほか上手くいったので、一連の流れを備忘録的に書いてみようと思います。
「自分なりに調べて思うに至った最良の袖丈」「実際に起きたお直しトラブル」「自宅でする丈直し」など、なんとなく丈直しのイメージがわくように話を進めていく予定です。

参考になるかもしれないけれどならないかもしれない凡人のつぶやき―そんな内容であることをお含み置きください。

#1 最良の裄丈 曲者の裄丈
#2 裄丈の試行錯誤 丈感にこだわりを反映させることができるか
#3 袖丈調整の要 カフス回りの調整
#4 お直しトラブル ある意味での朗報
#5 自分でする裄丈(袖丈)直し